映画のプロトタイプを制作中

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オープニングから突入のシーンまで完成させました。

今回の作品にはこだわりが幾つかあります。

まず、登場人物は全て素人です。社長・副社長ともにハリウッドでの業界経験やハリウッド映画に多く触れていた経験があり、日本人の役者の演技と演出に疑問を持っています。そこで今回は、登場人物にはまり役をあてる事で自然な演技をする事に挑戦しています。これは、不必要なまでに強調された日本の不自然な演技では無くあくまで自然体で行く。素人であり、その仕草が全て自然体である方が、映像として役者を使った演技よりも良い映像になると考えており、ほとんど全て素人で制作する事にしています。

カメラワーク
リズムを壊すカットを極端に減らし、シームレスなシーンを作っています。カットごとにカメラと役者の動き、フレーミング、ブロッキングなどにこだわりを入れています。
ヒッチコックは最近の映画は写真が喋っているだけで面白みが無いと嘆いていました。そこで単純な会話のシーンでも如何にドラマチックに作れるかを目指しています。特に黒澤明の動的なシーンの撮影、デビットフィンチャーのような、三脚にしっかり固定したソリッドな映像とクローズアップは最小限にし、意味づけする事に注意しています。

カメラ目線と役者の目線と視聴者の目線
また、カメラ目線や視線の移動などを意識しシーンのつながりと、視聴者がどこを見ているかを意味づけし、それを意図的に動かす事で注意を引き込みます。

編集
編集としても無用なカットは極限まで減らし、一つのカット毎に意味のあるシーンだけを作っています。また、これ以上減らすものが無いというほど不要なシーンは減らしてます。

アクションシーン
アクションもシームレスにしています。最近の役者は格闘技は出来ない為に、アップの映像とカットで誤魔化したファイトシーンが多いです。しかし、社長はスティーブンセガールの弟子であり、彼の合気道が出来ます。つまりカットで誤魔化す必要が無いので、アクションは引き絵で全体を見せ、具体的な技とリズム、そして緊張感を出します。セガールアクションだけでなく、ジャッキーチェンも同じように必ずアクションとリアクションを同じフレームに抑えるようにしています。このアクションとリアクションを同じフレームに残すのが大事だと考えてます。

また、刀のシーンも居合いの達人である先生と模擬刀で実際の戦いならどうなるかと言うのを念入りに段取り決め手行いました。当然ワンカットで対決シーンは終わらせています。映像では、お互い切られたら負けるという緊張感を伝える事を目指しました。

銃のシーン
銃を使ったアクションも玄人がうなるようにしています。刀での戦いと同様に緊張感を最大目標とし、視聴者の注意をひきつけます。また銃における哨戒活動も本場退役米海軍の人に指導を受け、可能な限り本物に近づけています。

英語で撮影
作品は英語で作り、世界に向けて発信を目指します。やはり英語で作品を作らないと世界の人々には中々見てもらえない事もあります。またこの作品では、監督とアメリカ人しか英語が喋れませんが、英語がまったく喋れない人でも英語の台詞として遜色無いように特殊な英会話の稽古も行い、それをアメリカ人が監修することで世界でも通じる英語を役者が喋れるようにトレーニングしてます。

全てをスタイリッシュに
自然に演技をさせながらも、役者一人ひとりにスタイリッシュな動きを求めてます。挙動の一つ一つ、たとえばタバコを吸う捨てる、立つなど自然でありながらも少しスパイスを加えるようにしています。

現在までの反省点とこれからの課題
1. 一番最初のシーンの時にワイドアングルが無かったために予定よりも狭い画角になってしまっこと。もう少し照明を意識しなければ行けなかった。ボス役が若干キャラを作りすぎたこと。

2. 部下1が演技中に不必要に顔を触ってしまった事。副社長いわく、不安に見える(不安な人間は顔を触る)。アメリカ人のアップの時に照明が足りなかった事。ボスとアメリカ人を同じフレームに入れるカットでも良かったかもしれない。

3. 待機中のシーン。ワイドで場所を知らせるプロファイルショットを取ると広すぎて地味になるので撮影しなかったが、望遠レンズでプロファイルショットを撮影しても良かったかもしれない。